イヤホンの筐体は一般的に樹脂系素材や金属系素材が多いです。そんな中で偶に木製だったり竹製だったりといったものが存在しますが、その多くがネタ枠であまり普及せずに終わってしまいます。
そんな自然由来の素材を筐体に使用した、CCA CSTという木製ハウジングの本イヤホンは、ネタ枠かと思いきや、結構な正統派仕様なイヤホンとなっています。
製品特徴
音質は非常に抜けが良い正統派ドンシャリ
このイヤホンの音質は、木製ということを感じさせないような正統派ドンシャリです。木製というと音の反響を抑えウォームな感じな音になるのかなと想像していたのですが、本機はむしろ逆で極めてクールで抜けのよいイヤホンとなっています。
高域は非常に抜けがよく、軽快なサウンドが奏でられます。背面に大きく開けられた空気穴のおかげです。
ドライバが低音よりの代物のおかげか、シャリ付きはありつつも耳に刺さるほどではない丁度いいサウンドとなっています。
中域は他の音域と比べると若干控えめなものの、ボーカルは楽器の前にでており聞き取りやすくいい感じです。
艶が無くはないものの、木製などの自然由来特有の艶といったものに期待していると、肩透かしくらうと思います。
低域は抜けが良いしそこまで、かと思いきやドライバそのものが力強いためしっかり出ています。ただ響くとか音圧とか、そういった面は強くないです。
ドンッ、と瞬間的な主張はあるのですが、直ちにすっと抜けていってしまうため、あまり深みは感じません。
音場はそこそこ広めです。適度に広がるので点でなっている感じはしません。
総合的にみて軽い感じの聴きづかれしにくい弱ドンシャリサウンドといえます。ただ木製ハウジングである必要性を聞かれると、ちょっと困りますね。
ハウジングについて
本イヤホンの筐体は大部分が木によって製造されています。しかもその木は表面にベタベタに塗料で加工してあるわけでもなく。肌触りからしてまるで割り箸のようです。
ここまで生の木をむき出しな質感なので、ちょっと湿気でカビが生えたり膨張したりなどの劣化が懸念されます。
音質の項目で述べたとおり、本機は空気穴が非常に大きな半開放型というべきイヤホンです。なので音漏れが酷いと思いきや、私はそこまで音漏れが酷いと感じませんでした。
普段音楽を楽しむ程度の音量、ボリュームバー半分程度で音楽を聴きましたが、その音量では特に音が漏れ出ていませんでした。
シュアがけはできない
形状的にこのイヤホンはシュアがけができない仕様になっています。このせいで外で使った際に衣服にケーブルが擦れてタッチノイズが発生しやすいです。
また、イヤーピースのみで耳に固定する形になるので、その選択もしっかりする必要があります。幸い、付属のイヤーピースは従来のKZのフジツボタイプなので、サイズさえあえばそのままでも問題なく使用可能でしょう。
ここまで聞くと装着感に難があるように感じるかもしれませんが、装着感はむしろ良い方です。final E1000などのようにつけていて疲れる事もない良好さです。
スマホでもばっちり鳴らせる
低価格帯の製品なので、スマホでもしっかり鳴らせるように設計されています。たいていの聴きに繋いでも、感度が高いので音量が取りやすいです。
ただし、同時にノイズを広い安いという問題もあるので注意。
まとめ
良い点
- 抜けのよい軽快なサウンド
- 半開放型だが意外と音漏れは感じない
- スマホでも鳴らしきれる
- 装着感自体は良好
悪い点
- 木が無垢材すぎる
- シュアがけできない
おすすめ度:★★★★☆
ノイズが乗りやすいという弱点こそありますが、価格帯からは信じられない程に音質が良く、装着感も良好です。
2000~3000円台のイヤホンの中ではトップクラスで音質が良いです。名機とされるKZ ZSTXやfinal E1000よりも個人的には好みです。
ちょっと素材的に経年劣化が気になりますが、何せAmazonでも1400円程度で買えてしまうので、深く考えずポチってしまっても問題ないと思います。